生物多様性保全への配慮

工場排水には脂や血液といった有機物など様々な物質が含まれており、そのまま河川などに放流すると水質汚濁や汚染の原因となります。
そのためナンチクでは、工場内の処理施設にて排水中に含まれる汚染物質を、好気性微生物により分解・吸着・浄化して放流しています。このように微生物の状態を人間がうまく調整しながら、管理・活用して浄水する方法を活性汚泥法といいます。
浄水に関しては、8系統の2段曝気方式を採用しており、工場から出る排水に対して十分な浄水能力を有しています。保守点検や清掃等の維持管理はもちろんのこと、浄化が正常に機能しているか毎日チェックを行い、水環境の保全に取り組んでおり、生物多様性や生態系にも悪影響を及ぼさないよう配慮しています。
また工場から排出される汚水の浄化処理過程では有機汚泥が発生します。この有機汚泥は浄化に必要な微生物の死骸の集まりであり、植物の栄養となる窒素やリンを多く含みます。 有機汚泥そのままでは産業廃棄物として処理することになりますが、ナンチクではコンポスト(生ごみや浄化槽汚泥などの有機物を、微生物の働きによって発酵分解させ、堆肥にするもの)し、肥料にしています。 有機汚泥を肥料化し、産業廃棄物=ごみの量を減らすことでCO₂削減、また再利用・リサイクルの面では循環型社会への取り組みの一つと考えています。